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国民健康保険料の年金天引き審査請求実施中
各位:石川県では、日下部さんの提案を受けて、国保料の年金天引きについて審査請求を行いました。現在再弁明書までが金沢市から出されています。弁明は弁明に値しないものです。国保料の年金天引きは、数々の権利侵害・不利益を強制するものであり、弁明出来ないのではないかと思います。関係資料を他県での参考にと思い、報告致します。
                         記
2008年8月19日
石川県国民健康保険審査会会長 殿
審査請求人 ○○○○○
審 査 請 求 書
 下記の通り審査請求をします。
1.審査請求人の氏名、住所及び生年月日
氏 名   ○○○○○
  住 所 ○○○○○
生年月日  昭和  年  月  日生( 歳)
  被保険者証の記号及び番号
2.審査請求にかかる処分
 審査請求人にかかる平成20年度国民健康保険料の10月からの特別徴収決定にかかる処分
3.処分があったことを知った月日
  2008年6月20日
4.教示の有無
教示はあった。内容「審査請求及び訴訟を提起できる」
5.審査請求の趣旨及び理由
(1)趣旨 2にかかる処分を取り消すことを求めます
(2)理由
・本人に断りなしに国民健康保険料の徴収方法を一方的に決めることは納得できません。
・年金天引きだと国保料の算定誤りを是正できる機会が奪われます。
・国保料の年金天引きは、災害等の場合、申請減免する権利が事実上奪われます。
6.口頭意見陳述の機会を求めます。
7.この審査請求については、以下の人を私の代理人にします。
住所  金沢市京町24-14 石川社保協                     
    氏名  寺越 博之 印

***************************************
国保審査会会長 殿                           平成20年9月26日
金沢市長 山出保
弁明書
 平成20年9月12日付け、石国審第7号で弁明を求められた事項について、次のとおり弁明します。
1.事件の表示
 審査請求人○○○○に対し、金沢市が、平成20年6月19日付けで行った平成20年度国民健康保険料の特別徴収決定処分に対する審査請求
2.弁明の趣旨
 「本件審査請求を棄却する。」との裁決を求める。
3.審査請求書記載事実の認否
(1)国民健康保険料の徴収方法は、国民健康保険法第76条の3に規定されており、申請人5人に対する特別徴収の処分は同条に基づいて行っているものである。なお、平成20年7月25日に改正された国民健康保険法施行令第29条の13第4号の規定に該当する方については、口座振替による納付方法変更が利用可能とされている。金沢市では7月22日及び9月15日付け金沢市新聞広報、9月17日発送の被保険者証同封のお知らせ等により周知している。今後とも、納入通知書等にお知らせを同封することにより周知する予定である。
(2)国民健康保険料の是正については、平成20年6月19日付け国民健康保険料納入通知書(本算定)において、普通徴収と同様に、保険料及び保険料の計算方法につき、説明するとともに、算定に不服があった場合審査請求できる旨の教示をしていることから、算定誤りを是正できる機会を奪っていない。
(3)災害等による減免については金沢市国民健康保険条例第35条の規定に基づき、申請を受け付けており、徴収方法の違いにより申請減免の権利を奪うものではない。

****************************************
2008年10月7日
石川県国民健康保険審査会
会長 高橋 涼子 殿
                         審査請求   住所 ○○○
                                氏名 ○○○○
反 論 書
平成20年9月26日付け収医第343号で提出された弁明書にたいし、下記の通り反論する。

1.審査請求に係る処分
 審査請求人にたいし、金沢市長(以下「処分庁」という)が、2008年6月19日付で行った国民健康保険料特別徴収決定処分
2.反論の趣旨
 処分庁より提出された弁明書によって、本件処分がますます憲法に違反した処分であることが明らかになった。以下にその理由を述べ、改めて「保険料特別徴収決定処分」を取り消すとの裁決を求める。
3.反論の理由
(1)国保料の年金天引きは憲法13条違反である。
 国民健康保険料をどのようにして納めるか、それは被保険者が自己決定すべき事項です。政府は、保険料の年金天引きの理由を、当事者の利便性、事務負担の軽減等と説明しています。利便性というなら、自動引き落とし制度を利用すればいいのです。利便性は、当事者が選択するものであり、強制されるべきものではありません。事務負担の軽減というのは、処分庁の都合です。処分庁の利益のために、被保険者の自己決定権を奪うことは、明らかに憲法13条に明らかに違反するものです。
(2)憲法29条違反であること
 保険料を預金あるいは手持ちの現金か等、どのお金で納めるかは、被保険者が自己決定すべきものです。それを老齢年金から強制的に天引きすることは、国民のふところに手をつっこむことであり、国民の財産権を侵害するものです。国民の財産権を事務負担の軽減等の理由で侵害することは、憲法29条に違反するものです。
(3)前納は、お願いされることであって強制されるものではない。
 年金は偶数月に2カ月分を後払いで支給されます。ところが、国保料の年金天引きは、当該月と翌月分の2カ月分を徴収する先取り方式です。そのため、常に保険料は1カ月分の取り過ぎ状態となり(前納)、途中で高齢者が死亡したり、他県へ転出すると、還付することになります。還付にはいちいち請求手続きが必要で、請求しなければ返ってきません。
前納は、奨励金をつけてお願いされる事項であっても、強制されるものではありません。保険料の前納の強制となる年金天引きは、明らかに不当です。
(4)保険料の申請減免の権利を奪うもの
 国保料は法定減免のほかに、災害等々の理由による申請減免を受けることも可能です。年金天引きは、特別な事情などお構いなしに先取りして天引きするのです。保険料の年金天引きは、申請減免の権利を事実上奪うものです。処分庁は、減免条例があるから、減免申請する権利を奪うものではないと弁明しているが、弁明になっていない。申請減免条例がどれだけ整備されていようとその制度の周知を住民にしらせ、制度の利用支援の仕組みがなければ事実上絵に描いたものです。淺野川水害の被災の時、処分庁は、住民にその制度の周知と制度の利用促進を図ってはいない。それなのに、処分庁は被災した住民から、国保料の年金天引きを実施したものである。このことを私たちは、申請減免の権利を事実上奪うものであると述べているのである。
 弁明するなら、制度の存在ではなく、実際の事実で弁明すべきである。
(5)保険料の実際の納付者の税控除する権利をうばうもの
 国保料の年金天引きは、確定申告で税の社会保険控除に反映できない問題も明らかになりました。国保料の納付義務者は世帯主になっています。これまでは、世帯主が納付義務者だが、実際の納付者は、違うことはありえました。夫婦世帯で、国保扶養家族の妻の方が所得が多いという場合もあるのです。そして、実際の納付者は、税の確定申告時に、納めた国保料を社会保険控除として申告することができることとなっていました。
 しかし、保険料の年金天引きは、世帯の状況に係わらず、世帯の相談と約束にかかわらず、国保世帯主の年金から、強制的に天引きすることになります。それによって、当然、世帯主以外に税の確定申告はできなくなりました。このように保険料の年金天引きによって数々の不利益、家族の関係にひびが入るなど問題が起きています。制度変更によって、このような不利益が強制されることはあってはなりません。国保料の年金天引き処分は、即刻中止すべきであります。
このことは、処分庁が以下に述べる政府の見直し施策を周知するチラシにも記載してあるものです。
チラシには、「年金天引きから口座振替に変更することにより、世帯としての所得税・個人住民税の負担が少なくなることがあります」と記載してあります。この記載こそ、住民を愚弄するものです。適切な記載は。「保険料の年金天引きは、社会保険控除ができななり、住民税等の負担が重くなる場合もあります。普通徴収・口座振替にすれば、適切な住民税等になる場合があります」です。
 処分庁自身も表現は適切でないとしても、このことを認めているのではないか。誤りは出来るだけ早く是正すべきである。
(6)政府の見直し施策は、国保料の年金天引きの問題を政府自身が認めたもの
処分庁の弁明書にもかいてあるように、9月末に金沢市から、チラシがとどけられました。それによると、以下の要件に該当する人は特別徴収から納付方法を変更することが可能となったというようです。
 ・直近2年間の国民健康保険料を滞納なく、確実に納付している。
 ・今後の保険料を口座振替により納付すること。
 政府の見直し施策の結果であるようです。これは「国保料の年金天引きは問題がある」と政府自身が認めたに等しいものです。
 この見直し施策は、重大な問題をもっています。特別徴収が問題と認めるならば、全ての人の特別徴収をやめるべきです。特別徴収が問題と認めるのだから、2つの要件を満たす人だけが普通徴収に切り替えることができるというのでは、明らかに法の下の平等に反しています。
 口座振替の強制も問題です。法律的には、普通徴収か、特別徴収です。普通徴収のひとつとして口座振替があるだけです。口座振替は、推奨されるべきものであって、そして当事者が自己決定すべきものです。口座振替は強制されるものではありません。
 ともあれ、処分庁は、この見直し施策を弁明の根拠のひとつとして引用しているが、この見直し施策そのものが保険料の年金天引きが問題だとするものであり、私たちが主張している「保険料の年金天引きの不当性」を間接的に裏付けるものである。処分庁は、保険料の年金天引きの誤りを認め、処分を自ら取り消すべきである。

****************************************
収医第  490 号
審査庁
石川県国民健康保険審査会 会 長 高橋涼子 様
金沢市長 山出 保
再  弁  明  書
 平成20年10月30日付け、石国審第15号で弁明を求められた事項にづいて、次のとおり弁明します。
1.事件の表示
 審査請求人松村清に対し、金沢市が、平成20年6月19目付けで行った平成20年度国民健康保険料の特別徴収決定処分に対する審査請求
2.弁明の趣旨
 「本件審査請求を棄却する。」との裁決を求める。
3.審査請求書記載事実の認否
 審査論求書記載事実の認否については、平成20年9月26日付け収医第343号の弁明書に記載のとおりである。
4.反論の理由に対する弁明は次のとおりである。.
(1)、(2)及び(3)国民健康保険料の徴収方法は、国民健康保険法第76条の3に規定されており、申請人に対する特別徴収の処分は同条に基づいて行っているものである。憲法違反との反論については、審査請求において審議すべき審議すべき事項ではないと考える。
(4)炎害等による減免については金沢市国民健康保険条例第35条の規定に基づき、申請を受け付けており、徴収方法の違いにより申請減免の権利を奪うものではない。浅野川水害の減免については、本庁舎での特別窓口、現地での説明会・特別申請窓口等を通じ、十分に周知を図っており、特別徴収の方についても減免の受付をしている。
(5)国民健康保険料の徴収方法は、国民健康保険法第76条の3に規定されており、申請人に対する特別徴収の処分は同条に基づいて行っているものである。
(6)納付方法の変更については、平成20年7月25日に改正された国民健康保険法施行令第29条の13第4号の規定により行っている。
(7)国民健康保険料の是正については、平成20年6月19日付け国民健康保険料納入通知書(本算定)において、普通徴収と同様に、保険料及び保険料の計算方法につき説明するとともに、算定に不服があった場合審査請求できる旨の教示をしていることから、算定誤りを是正できる機会を奮っていない。
****************************************
石川県国民健康保険審査会
会長 高橋 涼子 殿
                         審査請求   住所 ○○○○
                                氏名 ○○○○
再 反 論 書

平成20年11月13日付け収医第490号で提出された再弁明書にたいし、下記の通り反論する。

1.審査請求に係る処分
 審査請求人にたいし、金沢市長(以下「処分庁」という)が、2008年6月19日付で行った国民健康保険料特別徴収決定処分
2.再反論の趣旨
 処分庁より提出された再弁明書によって、本件処分がますます憲法に違反した処分であることが明らかになった。以下にその理由を述べ、改めて「保険料特別徴収決定処分」を取り消すとの裁決を求める。
3.再反論の理由
(1)金沢市長は憲法擁護義務を負っている。憲法尊重義務履行を監視するのは市民である。「憲法違反については審議すべき事項ではない」としているが金沢市長は審査庁ではない。その傲慢な姿勢こそ、是正されるべきである。
 憲法は立憲主義の立場に立って、国や自治体の活動を規制し、制限するものである。そのために憲法99条で「憲法を尊重し擁護する義務」を公務員等に負わせている。国民は、政府や地方自治体が憲法に基づいた政治を行っているかどうかのかを監視し、政府や自治体に憲法を守らせる責任がある。
 だから、審査請求人は、「処分庁は、憲法13条の自己決定権、31条の財産権を奪っている」「特別徴収の決定処分はあきらかに憲法に違反している。」「憲法違反の特別徴収処分を中止せよ」と求めているものである。従って、本来、処分庁は、憲法擁護義務の立場から、自らが行った特別徴収処分が憲法に照らしてどうなのか自己検討すべきである。そして、適切を欠いていることが明白であれば、特別徴収決定処分を取り消しすべきなのである。
 それなのに、処分庁は「憲法違反については、審議すべき事項ではない」と言うに至っては、「何をか言わんや」である。審査庁は裁決にあたり、「審査会は、合憲・違憲かの審議を行う機関ではないので、そうした審議を行わない」と述べることは、十分ありうる。しかし、処分庁は、審査庁ではない。その傲慢な姿勢こそ、是正されるべきである。
 処分庁は、自らが守るべき憲法を学び、襟を正して、主人公である市民の訴えに耳を傾け、特別徴収決定処分を取り消しすべきである。
(2)全ての対象者に半年かけて、説明し、「特別徴収に合意した」人だけ、特別徴収を実施した自治体が県内に存在する。
 県内のA自治体は、4月から、国民健康保険税の特別徴収対象者の全てに、特別徴収について説明を行い、特別徴収に合意した人(世帯)のみ10月より特別徴収を実施している。
 国民健康保険料の特別徴集が、国民健康保険法一部改正によってなされたとしても、法律の運用においては、A自治体と処分庁とでは、雲泥の差がある。住民への説明と合意が大切であることを処分庁は、理解していないものである。
(3)特別徴収は家族の約束、行政と住民との信頼関係を壊すもの
国民健康保険料をどのようにして納めるか、それは被保険者が自己決定すべき事項である。これまでは、納付書の請求国保料を家族の誰がどのようにして(どの財布から)払うかは、家族の相談で決め、実施することができた。東京に住んでいる息子が払うことも十分可能だった。家族で相談したことに基づいて納付されていた。ところが今年から、国保世帯主の年金から天引きされることとなった。家族で相談してきたこと、家族の約束がみんな反故にされたのである。徴収事務の効率化という処分庁の目的から、市民の家族関係の悪化が強制されたものであり、それはどのような理由であれ、許されるものではない。
 特別徴収は、行政と住民の信頼関係を同じく壊してしまう。地方自治にとって、もっと大切ななのは、行政と住民との信頼関係と協働である。国保料を滞納せざるを得ない人が、処分庁と分納誓約を交わし、分納(例えば、月5,000円づつ納める)を実施しているケースは相当存在している。
 しかし、特別徴収は、分納誓約を反故にして、強制執行するものである。これは行政と住民との信頼関係を一瞬のうちに壊すものである。その信頼関係の喪失は重大である。
(4)特別徴収による不利益は強制されるものではない。
 審査請求人は、反論書で「年金は偶数月に2カ月分を後払いで支給されます。ところが、国保料の年金天引きは、当該月と翌月分の2カ月分を徴収する先取り方式です。そのため、常に保険料は1カ月分の取り過ぎ状態となり(前納)、途中で高齢者が死亡したり、他県へ転出すると、還付することになります。還付にはいちいち請求手続きが必要で、請求しなければ返ってきません。前納は、奨励金をつけてお願いされる事項であっても、強制されるものではありません。保険料の前納の強制となる年金天引きは、明らかに不当です。」と述べた。
 処分庁は、これについては口をつぐんでいる。都合の悪いところは一切再弁明されていない。弁明しないのではなく、弁明できないからである。誤りを素直に認めて、特別徴収を即刻中止すべきである。
(5)保険料の申請減免の権利を奪うもの
 国保料は法定減免のほかに、「特別の事情」による申請減免を受けることも可能である。そして特別事情は、いつ、被保険者世帯にどのように発生するか、予想できるものではありません。
 処分庁は、市民の提案を受けて、浅野川水害において国保料の減免制度の周知と受付をおこなったことは、評価すべきものである。審査請求人は反論書において「処分庁は、住民にその制度の周知と制度の利用促進を図ってはいません。」の内容の誤りを陳謝し、訂正するものです。
 しかし、審査請求人の趣旨は、「震災など被災者は、衣食住が奪われる場合もあるが、そうした場合においても年金天引きは、被災者の暮らしがどのようになっても関係なく、機械的に天引きしているのではないか。それは、あまりにも人道にも反するではないか」ということである。
(追伸:浅野川水害の時には一部負担減免の制度の周知と受付を積極的にすすめていなかったことは、制度の趣旨からして適切でなかったということを付言する)
(6)保険料の実際の納付者の税控除する権利をうばうもの
処分庁は再弁明において、「国民健康保険料の徴収方法は、国民健康保険法第76条の3に規定されており、申請人に対する特別徴収の処分は同条に基づいて行っているものである。」と述べている。 これは審査請求人の反論についての「弁明」と言えるものではない。処分庁に言われなくても処分庁が国民健康保険法に基づいて特別徴収決定処分を実施していることは自明である。
 処分庁は、「特別徴収による増税という不利益の強制は許されない」という請求に真摯に答えるべきである。「行政の徴集事務の効率化のために、市民の税負担を増やすことが許されるのか」この問いに処分庁は答えないのでなく、答えることができないのである。どのような理由をつけても税の負担増となる不利益処分を合理化することができない。
(7)税の負担増などの不利益処分の実施には適正手続きが欠かせない。
 特別徴収によって、社会保険控除ができなくなるなどの不利益処分を仮に必要悪として認めたとしても、不利益となる処分の実施には、幾つかの手続きを踏まえて実施しなければならない。特別事情の把握、当事者の弁明の機会の付与、代替措置の有無の検討などをえて上で、住民の意見を聞いた上で、実施すべきである。
 しかし、処分庁の特別徴収の決定は、何ら当事者に説明も意見も聞かないで、問答無用として実施されたものである。審査請求人なと「困る」という声がおおくあるのに、強行されたものである。
 不利益処分、権利侵害となる処分の強行は、適正手続きを欠いた処分であり、違法である。それは取消されなければならない。
(8)政府の見直し施策は、国保料の年金天引きの問題を政府自身が認めたもの
 処分庁は「納付方法の変更については、平成20年7月25日に改正された国民健康保険法施行令第29条の13第4号の規定により行っている。」と述べている。
 審査請求人は「納付方法の変更は、保険料の年金天引きの不当性を間接的に裏付けるものです。処分庁は、保険料の年金天引きの誤りを認め、処分を自ら取り消すべきです。」と述べている。政府自身でさえ認めている特別徴収の問題を処分庁が何も感じていないとなれば、自治体の首長としての役割を十分果たしていないのではないか。
(9)ある相談事例から
 審査請求人は、実際に発生した事例をもとにして「国保料の年金天引きは、国保料の賦課決定額の是正を事実上できなくするものであり、不当な処分であることは明白です。」と述べた。それに対して処分庁は「国民健康保険料の是正については、平成20年6月19日付け国民健康保険料納入通知書(本算定)において、普通徴収と同様に、保険料及び保険料の計算方法につき説明するとともに、算定に不服があった場合審査請求できる旨の教示をしていることから、算定誤りを是正できる機会を奮っていない。」と述べている。
 処分庁は、市民の訴えに耳を傾けなければならない。現実に処分庁は、確定申告もれが明白な市民にも知らせることなく、住民税に課税し、その住民税をもとにして国保料を賦課してきたではないか。
 反論書で紹介した方の事例は以下の通りである。年金収入が280万円、所得が280−120万=160万。そこから、本人基礎控除38万、介護保険料のみ控除して源泉徴集されていた。実際には、妻の控除、妻の介護保険料、国保料、障害控除等がもれていた。処分庁は、確定申告がされていないことが分かっているのに、この源泉徴収を下に住民税・国保料を賦課しているのである。個人台帳には、扶養家族の存在、妻の介護保険料年額、国保料総額も台帳には、記載されていた。なのに本人に知らせないで課税してきたのである。
 県内でもいくつかの自治体は、「確定申告漏れ」「介護保険料や国保税等の申告漏れ」があれば、該当住民に知らせ、「確定申告もれ」がないように実施している。そうした自治体と処分庁の姿勢はやはり雲泥の差がある。
 処分庁の再弁明には、「保険料及び保険料の計算方法につき説明するとともに、算定に不服があった場合審査請求できる旨の教示をしていることから、算定誤りを是正できる機会を奮っていない。」と再弁明でのべている。この再弁明に至っては、あきれてものが言えない。「何故、「審査請求ができることを教示している」ことが「算定誤りを是正できる機会」なのか、説明してほしいものである。
 審査請求をすると保険料の算定誤りを何故是正できるのか。確定申告もれによる過大な国保料の賦課の是正は、審査請求ではできない。条例等に基づいて賦課されているからである。是正できるのは、処分庁が、確定申告していない人、社会保険控除・扶養控除などのもれがあることがあきらかな場合は、当事者に連絡して、確定申告をして、あるいは修正申告することによる以外はない。
 処分庁の怠慢を脇において、審査請求人の訴えに耳を貸さない姿勢に、処分庁に絶望感さえ、感じるのは審査請求人だけであろうか。


石川県情報 | 16:22:26 | Trackback(0) | Comments(0)
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